経営と人事をつなぐ「HRBP」という存在について


これからの組織に必要なHRの役割とは?
📌 はじめに
「HRBP(Human Resource Business Partner)」という言葉を聞いたことはありますか?
最近、組織や人事の現場で注目が高まっているこの役割。
実は、これからの時代を見据えると、多くの企業にとって欠かせない存在になりつつあります。
本記事では、HRBPとは何か、どんな人が適しているのか、そしてなぜいま必要とされているのかを、わかりやすくご紹介します。
💼 HRBPとは?簡単にいうと…
HRBPとは、経営と人事の“架け橋”になる存在。
人事の専門家でありながら、ビジネスの視点を持ち、事業部や現場と対話を重ねながら、戦略的に人と組織に働きかけていく役割です。
従来の「人事部」のイメージが、人事制度や労務対応など“管理中心”だったとすれば、
HRBPは「経営戦略の実行に、人材の面から寄与する」ビジネスパートナー型の人事とも言えます。
🧩 どんな人がHRBPに向いている?
HRBPには、次のような資質が求められます。
- ✅ 経営と人事の“翻訳者”になれる
- ✅ 数字と感情の両方を捉えられる
- ✅ 現場と信頼関係を築きながら、対話と提案ができる
- ✅ 指示待ちでなく、共に考え、共に創るスタンス
- ✅ 結果を見て振り返り、改善に活かせる
このような人材は、組織内でも希少な存在かもしれません。
でも実は、社内のある特定のタイプの人たちと重なる部分があるのです。
🔍 中小企業の創業者、大企業の経営者との共通点
HRBPの特徴を整理する中で、中小企業の創業者や、大企業の経営者との共通点が見えてきました。
比較対象 | 共通点 | 違い |
---|---|---|
中小企業の創業者 | 情熱と当事者意識、スピード感、現場感覚 | 全体責任を負う創業者に比べ、HRBPは参謀的役割 |
大企業の経営者 | 戦略視点、KPI思考、仕組み化の発想 | 決定権は持たず、組織にレバレッジをかける側面支援 |
つまり、HRBPとは、「創業者のように動き、経営者のように捉える」人材。
ビジネスの現場感と、経営の視座の“両方を持つこと”が鍵なのです。
⏳ なぜいま、HRBPが求められているのか?
これからの時代、企業にはこんな変化が求められています。
- ✅ 社員の多様性(世代、価値観、働き方)の尊重
- ✅ 組織の適応力と柔軟性の向上
- ✅ 経営戦略の変化スピードに合わせた人事施策の刷新
- ✅ 管理型→共創型へのマネジメントシフト
この変化を促進するためには、現場と経営の間に立ち、相互理解を支える存在が必要です。
まさにその要となるのが、HRBPなのです。
🗝️ おわりに 〜「うちにも必要かも?」と思ったら〜
「HRBPってうちにも必要かもしれない…」
「そういう人材、社内にいるだろうか?」
「育てるにはどうしたらいい?」
そんな風に感じていただけたなら、それはまさに次のステップへの第一歩。
HRBPは単なる“肩書”ではなく、企業の変革を支える新しい人事のあり方です。
いまこそ、御社にとってのHRBP像を描いてみませんか?
✍️この記事を書いた人
渡邉 文子(わたなべ ふみこ)
【MBA/公認心理師/国家資格キャリアコンサルタント/GALLUP認定ストレングスコーチ】
人と組織の可能性を引き出す、人材コンサルタント。
20年以上にわたり、採用・育成・適性診断・1on1設計・マネジメント支援を手がけてきました。
「人事に、経営参謀という視点を。」をテーマに、企業の未来を人の力で支えています。