いま注目される「スマーター・コラボレーション」とは?


組織の壁を越え、複雑な課題に挑む新たな働き方
🔹「協力」は当たり前。では、何が“スマーター”なのか?
「うちはチームで協力しているから、大丈夫」
そう思われる方も多いかもしれません。
しかし、いま世界中の先進的な組織で注目されているのが、
Smarter Collaboration(スマーター・コラボレーション)という考え方です。
これは、単なる協力ではありません。
専門性の高い人材が組織の壁を超えて連携し、より複雑な課題やチャンスに向き合うための、進化した協働のアプローチです。
📘 この考え方は、ハーバード発の理論です
この概念は、
ハーバード大学のハイディ・K・ガードナー博士と
イワン・マトビアク氏による著書
『Smarter Collaboration: A New Approach to Breaking Down Barriers and Transforming Work』により体系化されました。
本書では、スマーター・コラボレーションがもたらす効果として、
- イノベーションの加速
- 顧客満足度の向上
- 業務効率の改善
- 組織のリスク低減
- そして収益性の向上
といった、ビジネス上の具体的な成果が挙げられています。
💡 スマーター・コラボレーションの特徴とは?
スマーター・コラボレーションには、次のような特徴があります:
- 専門性の高い人材同士が、分野を超えて協働する
- 複雑な問題に対して、より高度な意思決定と価値創造を可能にする
- 組織に“成果を生み出すコラボレーション文化”を定着させる
☝️リーダーができる実践ヒント(3ステップ)
では、どうすれば自社に取り入れられるのでしょうか?
以下に、実際の現場でも効果が見られているアプローチをご紹介します。
① 部門横断の共通目標を設定する
- 組織の“縦割り”を越えて、共有のゴールを設ける
- 心理的・非金銭的な報酬を活かして、動機づけを図る
② コラボレーション傾向を可視化・活用する
- アセスメントを用いて、個人・チームの協働スタイルを見える化
- 強みや課題に応じた最適な関わり方を設計する
③ 信頼と対話の文化を育てる
- 建設的なフィードバックを“日常”に
- リーダー自身がロールモデルとなり、実践をリードする
📈実際の企業での成功事例
ある企業では、組織再編後にチームの協働スタイルを「スマーター・コラボレーション・プロファイル」で可視化。
その結果、チーム内の信頼関係が強まり、
意思決定と実行のスピード・質の両方が大きく向上したという報告があります。
🔍 こんな兆しが、あなたの組織にもありませんか?
- 専門人材が、それぞれの“島”で孤立している
- 部門間の連携が形式的で、本質的な対話が少ない
- 「協力」はしているが、価値創造にはつながっていない
💬「協力」から「スマートな協働」へ──
私たちの組織は、コラボレーションの“質”を見直すタイミングにあるかもしれません。
あなたの組織では、Smarter Collaborationが新しい一歩となる可能性があると思いますか?
ぜひ、周囲のメンバーともこの問いを共有してみてください。
✍️この記事を書いた人
渡邉 文子(わたなべ ふみこ)
【MBA/公認心理師/国家資格キャリアコンサルタント/GALLUP認定ストレングスコーチ】
人材・組織開発コンサルタント。
組織変革やリーダー育成、フィードバック文化の構築を支援しています。
「人と人の専門性が、より良くつながる場づくり」をテーマに、コラボレーションから生まれる成長を後押ししています。