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個人 仕事が楽しくなる 脳が活性化する パフォーマンスが出る ストレスを感じなくなる

マインドセットで人生が変わる!うまくいく人の思考法とは?

マインドセットとは何か

私たちは日々の生活の中で、さまざまな判断や選択を行っています。その際に影響を与えるのが「マインドセット」です。マインドセットとは、物事を捉える際の思考の枠組みや信念のことを指します。これは幼少期からの経験や教育、周囲の環境によって形成され、私たちの行動や意思決定に大きな影響を与えます。

たとえば、新しいことに挑戦するとき、「自分には無理だ」と考える人と、「やればできるかもしれない」と考える人では、その後の行動が大きく変わります。これは、単なる性格の違いではなく、マインドセットの違いによるものなのです。

マインドセットには「しなやかマインドセット」と「こちこちマインドセット」の2つがある

スタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエック氏は、マインドセットには大きく2種類があると述べています。(→外部サイトへ)

1. しなやかマインドセット(グロース・マインドセット)

  • 能力は努力次第で成長するものだと考える
  • 挑戦や失敗を学びの機会と捉える
  • 継続的に努力することが重要だと認識している

2. こちこちマインドセット(フィックスト・マインドセット)

  • 能力は生まれつき決まっていて変えられないと考える
  • 失敗を自分の能力不足と捉え、挑戦を避ける
  • 努力よりも才能が重要だと思っている

この違いは、人生のあらゆる場面で影響を与えます。たとえば、学校や職場で困難な課題に直面したとき、しなやかマインドセットの人は「どうすればできるようになるか」と考え、試行錯誤を繰り返します。一方、こちこちマインドセットの人は「自分には向いていない」と諦めてしまうことが多いのです。

アメリカで行われた実験の結果

キャロル・ドゥエック氏の研究では、マインドセットが学習意欲や成績にどのように影響するかを調査しました。(→外部サイトへ)実験では、10歳の子どもたちをAグループとBグループに分け、難しい課題を解かせました。

  • Aグループの子どもたちは、失敗すると「自分はダメだ」「向いていない」と考え、途中で諦めてしまいました。
  • Bグループの子どもたちは、失敗しても「挑戦は楽しい」「どうすれば解けるのか考えよう」と前向きな姿勢を維持し、粘り強く取り組みました。

この違いを生んだ要因は、事前に与えられた情報でした。Bグループの子どもたちには、「脳は使えば使うほど成長する」という説明がされていました。その結果、彼らは困難な課題に対して前向きな姿勢を持ち、学習意欲が高まりました。

さらに、脳の活動を測定すると、Bグループの子どもたちの脳は活発に動いており、学習に適した状態になっていることが確認されました。この研究は、「能力は固定されたものではなく、努力次第で伸ばすことができる」という考え方が、実際に学習成果に大きな影響を与えることを示しています。

前向きなチャレンジのためには、希望だけではなく、暖かく包み込む愛も必要

人が前向きに挑戦し続けるためには、希望を持つことだけではなく、心理的な安心感も重要です。特に、幼少期に親や周囲の大人からの愛情を受けた経験が、自己肯定感やストレス耐性の向上に大きく影響します。

研究によると、養育者から十分な愛情を受けた子どもは、学習や記憶をつかさどる海馬が発達し、ストレスへの適応力も高くなることが明らかになっています。逆に、愛情不足の環境で育った場合、ストレスに対する耐性が低くなり、新しい挑戦に対して消極的になる傾向があります。

大人になってからも、安心して挑戦できる環境を作ることが重要です。職場や家庭で「あなたならできる」と信じてもらえること、失敗しても受け入れてもらえることが、人の成長を後押しします。

最終的に、しなやかマインドセットを持ち続けるためには、「挑戦することの楽しさ」を知ることと、「失敗しても大丈夫」という安心感を持つことが欠かせません。希望と愛情の両方がある環境こそが、人の成長を最大限に引き出すのです。