「ひとりひとりの違い」が力になる組織づくり


プルラリティな社会に向けて──
「ひとりひとりの違い」が力になる組織づくり
私たちは「みんな違って、みんないい」と言葉ではよく言いますが、
日々の職場や組織でそれを本当に感じられているでしょうか?
組織においては、多くの場合、声の大きな人の意見が「全体の意見」として採用され、
気づけば同調圧力の中で「自分らしさ」や「違い」が見えにくくなっている。
そんな場面を目にすることがあります。
合議制という名のもとに、「同意しないと前に進まない」という空気が、
無言の同調や諦めを生み、時に優しさや創造性を奪ってしまうのです。
そんな中、「プルラリティ(plurality)=多元性、多様な意見や在り方の共存」
という概念に出会いました。
オードリー・タンと次世代AI/”民主主義のバグは「プルラリティ」で解消“
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/1964117?display=
この言葉には、「一致する必要はない」
「多様であること自体に価値がある」
という深いメッセージが込められています。
大多数に集約しなくてもよい。ひとつに決めなくてもいい。
それぞれが「異なるままで共にいる」ことが、むしろ豊かさを生む
――そう捉えると、社会の見え方が変わってきませんか?
私はこれまで、人がいきいきと働くために「自分の適性を知ること」
「強みを活かせる場所で働くこと」の大切さを伝えてきました。
けれど、適性や強みを発揮できるかどうかは、個人の努力だけではなく、
「違いが尊重される組織かどうか」に大きく左右されます。
だからこそ、いま改めて伝えたいのです。
「みんなの適性を活かす組織づくり」が、プルラリティ社会の第一歩
ひとりひとりの性格や働き方のスタイル、
関わり方の違いを診断や対話を通じて可視化し、
それを尊重する文化があれば、誰かを「変えよう」としなくても、
お互いが自然と理解し合い、協力できる関係が育ちます。
そして、自分の「らしさ」に気づき、他人の「らしさ」に寛容になれる。
それが、プルラリティな組織です。
最後に
「一致しないといけない」という呪縛を手放して、
「違っていても、共にいられる」場をつくること。
それが、誰もが自分らしくいられる社会の始まりだと思っています。
さあ、あなたの組織も、プルラリティから始めませんか?
まずは自分を知ることから。そして、隣にいる誰かを理解しようとすることから。
そんな小さな一歩が、
きっと大きな変化につながっていきます。
Fumiko Watanabe 2025.0613